オンデマンド・プログラミング言語「Apexコード」提供。業界変革の可能性
SaaS(Software-as-a-Service)の先駆的企業であるセールスフォース・ドットコム。同社が提供するオンデマンドCRMアプリケーション「Salesforce」のユーザー企業数は、全世界で35,300社(2007年7月31日現在)を超え、成長著しい企業の一つだ。
そんな同社が、8月より提供されている最新版「Salesforce Summer'07」の発表とともに打ち出した新たな戦略が「PaaS(Platform-as-a-Service)」である。これは、開発環境を含め、オンデマンド・プラットフォームを重視する同社の方針を改めて明確化したものであり、ソフトウェア業界の変化に大きな意味合いを持ちうる新語ともいえよう。
「Apexコード」とは
「Salesforce Summer '07」では、オンデマンド・プログラミング言語「Apexコード」がユーザー向けに正式にリリースされたほか、ワークフロー機能の強化やユーザー開発環境の整備が図られた。中でも「PaaS」の核と言えるのが「Apexコード」である。
「Apexコード」は、「世界初のオンデマンドで動く言語」(製品統括本部長・内田仁史氏)であり、これにより、オンデマンド化した開発環境が整えられる。Javaに似ているためプログラマがすぐにマスターできるという。
この「Apexコード」は「AppExchange」との連携によって、最大限効力を発揮する。「AppExchange」は、システム開発者やパートナー企業が開発した製品を、「Salesforce」の顧客企業とユーザに対して公開、配布することを可能にするアプリケーション・プラットフォーム。つまり、「Apexコード」で作成されたアプリケーションを「AppExchange」上で展開することができるのだ。
CRMからビジネスウェブサービス提供へ
さらに同社の戦略が窺えるのが、「AppExchange」の製品ラインナップが、CRM製品だけでなく、金融、電子署名、ドキュメント管理、プロジェクト管理など同社にとって新しい分野のアプリケーションをも提供していることだ。同社はCRMにとどまらず、企業情報を支援するサービス提供へも乗り出している。
同社は今年末から来年にかけて「AppExchange」と連動した「AppStore」のサービス提供を予定している。「AppExchange」では、ベンダーと顧客が直接契約しなければならなかった。「AppStore」について内田氏は「アマゾンで本を購入するように、自由にアプリケーションを購入できる」と説明する。
同社・会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏は「PaaS環境では、お客様は必要なコードを作成し、当社のサーバ上で実行できます。つまり、ソフトウェアなしのプログラミングということができます。これは、まさにソフトウェアの終焉であるといっても過言ではないでしょう」と述べている。SaaSを推し進めた PaaSの普及で、ソフトウェアの概念が変わるかもしれない。