12種の単体アプリケーションと、ウェブ、DTP、モバイル、映像など用途に応じた6種類のコレクションパッケージがラインナップされ、アドビ史上最大の同時リリースとして注目を浴びているクリエイティブツール「Adobe Cleative Suite3(以下CS3)」。ウェブコンテンツに強いマクロメディア社との合併後、初のリリースとなった今回の「CS」では、「フラッシュ」や「ドリームウィーバー」も統一規格内に新たに組み込まれた。「メディアを超えたオープンデザインを作るという視点から、最大の同時リリースとなりました」(アドビシステムズ・フィールドマーケティングマネージャー西山氏)と語るように、複数のメディアをリンクさせることがスタンダードになりつつあるクリエイティブ分野に対応するため、必然的にボリュームとバリエーションが増加したと言えるだろう。
そうした製品面のみならず、『CS3』の発売にあたり、ブロガーを中心として大きな話題を呼んでいるものがある。リリースを記念して制作されたスペシャルコンテンツ「Adobe スゴロク CS3 ―つくる・あそぶ・つながる自由×自在―」だ。このウェブゲームは、フラッシュ上で稼動するシンプルなスゴロクゲームである。だが、スムーズな動作性とカラフルな演出には目を見張るものがあり、加えてランダムで表示されるマス目のデザインを、映像作家、デザイナー、イラストレーターがそれぞれ担当している。
「様々なクリエーターの方に参加してもらった上で、最終的なプラットフォームにフラッシュを使ってます、という部分を重視した」(制作担当・スパイスボックス神谷氏)とのコンセプトが活かされ、「フラッシュ」をリードとして『CS3』の革新性を視覚的に把握してもらいながら、その詳細についても楽しみながら吸収できるページに仕上がった。また、スゴロクで敵キャラよりも先にゴールした場合、止まったマス目(キューブ)はユーザーが獲得でき、ブログパーツとして貼り付けることができる。これが大きな宣伝効果を呼び、「ブログパーツからのリンクでページを覗いた人は全体の70%を超えています」(アドビシステムズ・フィールドマーケティングマネージャー西村氏)とのことだ。
事実、アドビとマクロメディアの合併を「スゴロク」を通して知ったユーザーも多く、『CS3』の紹介コンテンツとしてだけでなく、アドビのブランド力を高める成果も出ている。過去最大のリリースという、インパクトがあると同時にその全容の紹介が困難と言える『CS3』を、娯楽に特化することでわかりやすくユーザーに伝えた「スゴロク」は、アドビの優れた広告展開力を感じさせるものである。