普段使いの液晶、大画面で味わうプラズマ。37Vの同サイズでの価格差は意外に小さい
テレビの本放送が開始されてから五十余年、モノクロからスタートしたテレビは進化を続け、2005年5月には液晶・プラズマテレビの薄型タイプがブラウン管モデルを超え、出荷ベースで液晶テレビ50.2%、プラズマテレビ5.2%となり、ブラウン管の42.8%を初めて上回った。(電子情報技術産業協会調べ)
昨年はワールドカップ需要により、薄型テレビの販売台数が飛躍的に伸び、液晶モデルは前年比152%、プラズマは同128%(BCN調べ)を記録している。
現状では液晶テレビのシェアが高く、プラズマテレビは液晶の10分の1程度のシェアしかないが、これは主力価格帯と標準サイズが液晶モデルにあることが大きい。昨年のワールドカップ需要で売れていたのは32V標準HD(1024×720)モデルであり、実勢価格は各社とも16~20万円を切ったあたりで推移していた。しかし今年7月現在では、地上デジタルチューナを標準装備したモデルでも10万円を切る商品が登場するなど、液晶とプラズマテレビの販売価格差が開いてしまったことが影響している。
プラズマテレビは構造上小型化が難しく、現在のラインナップでも37Vサイズから。実勢価格も標準HDモデルで13万円台とやや割高になる。しかしながら、37Vの同サイズで比較すると最安値の商品でその差は数千円であり、プラズマテレビのビハインドは実は少ないのだ。
現在液晶テレビがプラズマテレビを大きく上回っている理由として、売れ筋サイズが32Vであること、流通量が増えたことで32V以下の商品価格が下がり、デジタルチューナ搭載モデルが増えたことでユーザーの購入意欲を刺激していることが挙げられる。
それでは今後どのような売れ方を示すのだろうか。それを読み解く鍵のひとつが来年に迫った北京オリンピックであろう。
中国市場ではオリンピック需要を控え、富裕層を中心に液晶テレビの売上が伸び、昨年の第1四半期では対前年比181.4%の伸びを記録している。液晶とプラズマの販売比率は日本とほぼ同様10対1だが、中国の専門家筋では大画面と動画解像度、ハイビジョン放送でプラズマにビジネスチャンスがあるとされている。
日本国内でも、「液晶モデルの経済性、写り込みの少なさ、画面サイズの豊富さで優位性がある」「プラズマモデルの動画解像度の良さ、「黒の表現力などで優位性がある」と活発な意見が交わされている。総合すると、「リビングなど置き場所を選ばない普段使いの液晶テレビ」「大画面でスポーツ観戦などを楽しむプラズマテレビ」という棲み分けになる。
現在液晶テレビでは描画速度を向上させ、毎秒120コマの倍速パネルを搭載したモデルも発売されているが、42V以上のフルHD(1920×1080)モデルにしか採用されておらず、現在もっとも安価なシャープのLC-42RX1Wで27~28万円台で推移している。